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きょうのことば

"

お互い知己のない四人の勇者がライオンと向かい合っても誰も戦おうとはしない。

互いの能力を知り合っている四人の弱者がライオンと向かい合えば、それぞれの得手で助け合って決然と戦う。

"

"Battle Studies"(1880) Ardant du Picq [松村2005]


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創造と模倣
作者: 代表取締役 高橋洋人   

「価値の創造」〜創造と模倣〜

とある本のなかで、学生時代からずっと奥歯に挟まっていた言葉がある。「価値の創造」(Wertschaffen)という言葉だ。

 

高校でも、大学でも、社会人になっても、何ともピンとこないコトバで。
時には「人類にとって偉大なる存在意義を創造することなんじゃないか」と大それた事を考えたり、「何か革命的なイデオロギーを生み出す事なのだろうか」などとますます近視眼的にのめり込んだり。

 

私にとってはそれは想像上の怪物か、夢の国のようなものか。あるいはなんともつかみようも無い、霧の中のブロッケンのような不思議な存在だった。

 

事業をやる中では、「価値の創造」などとうわごとを言っているヒマがあれば、1円でも売り上げを上げたり。
営業、人脈を広げる事に終始することに頭がいっぱいになり、ふとその存在を忘れかけていた頃。この最近。
だんだんとその亡霊が、またちらちらと目の前に現れるようになってきた。
それも前よりもずっと鮮明で、確かな形をとどめて。

 

私はとても、初歩的な思い違いをしていたのだ。
というのは、あまりに純真無垢な若者のように「創造」を「無から全く新しいものを生み出す行為」というコンテキストで読み取り、その意味において「価値の創造」という言葉を考えていた、という事。

 

「創造」はもちろん、聖書の「天地創造」の「創造」だ。すなわち、無から何かを生じる、という意味をなすものの、我々小さな人間にとっては創造は「模倣」の意となす。


それは、ミュージシャンが音階やスケールを利用してその派生を創造するように。

また、文章は既に語られたコトバをなぞり、それらコトバをつなぎ合わせて創られる。

現世の人間にとっては、「既にあるもの」を使って創造はできるものの、「存在しないもの」を用いることはそもそもできない。

すなわち、人間の創造というものは既にあるものを、既にあったやり方をもとに、今までにはない形に作り替える工夫をする事。それは畢竟、模倣である。

 

「価値の創造」が「(新たな模倣による)価値の創造」と新たな色彩を得たときに、私のビジョンはモノクロームのデッサン画から、色とりどりの、あるいは淡いみどりや黄色、あるいは鮮やかな青や赤の彩りをたたえた水彩画のように、百通りの色彩の魅力を語りはじめたのだ。

 

創造的な人や会社、組織があり。非創造的て平々凡々な人や会社、組織があるのではなく。

妙なる模倣の得意な人、会社、組織があり。またそうではないそれらがある。と言える。

 

それは換言すると、より文化的である、より前衛的な模倣である、ということ。

これが、「創造的」であるといういうこと。

 

音楽について言えば、「ホワイトクリスマス」という曲が、世界中の多くのミュージシャンによって、めいめいの趣向を凝らされ、色鮮やかな百通りのカバー(トリビュート)をされるように。

 

旅行で言えば、同じ仙台に行くのであれ、七夕で行くのか、光のページェントという街をあげた並木を電飾回廊にするイベントで行くのか。温泉なのか、湯治なのか。という百通りの価値があるように。

 

巧拙や良し悪しがあるとするならば、「模倣の質」ということ。

 

より前衛的で、より質の高い模倣はもはや。それは新たな価値の創造と言えるだろう。

そして「新たな価値の創造」と言われるぐらいの模倣でなければ、その試みの価値はあっという間に色褪せてしまうのだろう。

 

事業に於ける私の使命は、人にとって面白みのある「新たな価値の創造」をすること。

そしてそれは「新鮮で興味深い、よりより模倣を世に出す旗手を一人でも多く育む」こと。「モノクロームの世界に、価値の彩りを鮮やかに色付ける事業を一つでも多く育む」こと。

 

会社というものを始めて10年間。ずっと悩んでいた一番大きな問いが、最近ようやく解決した。

私の使命は、それだ。